------------「ゴミ、見つけた」 Vol.48
小学生の頃、野外教室で出かけた近所の浜辺で、
孵化したたくさんのウミガメの赤ちゃんとタマゴの殻を見た。
「浜から海にたどり着くまでに海鳥に食べられたり、
力尽きたりで多くの個体がしんでしまう」と、引率の先生が教えてくれた。
大人のウミガメに成長できるのは、この中で1匹いればいい方だとも教えてくれた。
小さな体躯に不釣り合いな程大きな前足をパタパタさせるその赤ちゃんたちが、
1匹でも多く大人になれたら……と思い、
同級生たちと海まで運んであげたことを今でも憶えている。
子供が自分たちよりも弱い小さな命を守りたいと思う気持ちは、
様々な経験によって育まれるものだと思う。
ウミガメの孵化に遭遇するような特別なことではなくても、
子供たちは命の大切さを知る。
時々残酷なことをしてみて、
「コレはしてはいけない」ということをインプットしてゆく。
大人になってもその気持ちを持っていられるかどうかも、
成長する過程における様々な経験が左右するのだと思う。
けれど、欲や邪な心の割合が多い人は、
せっかく育んできた「弱く小さな命を守る」心を隠してしまう。
大切な心をどこに隠したか忘れてしまった人が、弱く小さな命をいたぶる。
霞ヶ浦の護岸で見たレンギョの死骸には、何カ所も刃物で切られた跡があった。
その身体を見たとき、一瞬震えがきた。
明らかに鳥や獣がつけたものではないそのキズに、寒気がした。
陸に揚げたことが死を意味する魚の身体を、更にいたぶるその神経。
レンギョがかかって腹を立てた釣り人がしたことなのかどうか、
今となってはわからないが、殺す理由が理解できない。
命を軽く考えないで欲しい。
生き物を『モノ』と思わないで欲しい。
無意味な殺生はやめて欲しい。
ターゲットではない魚がかかったとしても、
笑ってリリースできる余裕を持って欲しい。
水辺にゴミと化すモノを放置しないで欲しい。
霞ヶ浦で遊ばせて貰っているのだから、もっと湖に感謝して欲しい。

文と写真:藤野佳織
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